後見制度を悪用した事件が近年増えています。
専門家が事件に関与したものや、元専門家が関与したもの、悪徳商法で近づいた者が関与したもの、後見人となった親族が関与したものなど、様々な悪用事件が発生しています。
本来、認知症の高齢者等が悪徳商法に巻き込まれないよう、また財産を有効に使っていけるようにと後見制度が作られましたが、ごく一部の者のために制度そのものの信頼が揺らいでいることはとても残念であり憤りも感じます。
私は、今まで高齢者を中心に後見制度を広めていくことが重要だと考えていました。しかし、このように悪用事件が増えてくると、はたしてこの考え方でよいのだろうかと疑問を持つようになりました。
確かに現在の制度でも例えば任意後見人には任意後見監督人がつき、成年後見人には家庭裁判所がつき、いつでも任意後見人や成年後見人等に事務の報告を求めたり財産目録の提出を求めたりすることができ、不正が起きないようチェックする仕組みにはなっています。しかし、現実にはそのチェックがうまくはたらかない場合があるため事件が発生しているのです。
当事者の高齢者がこの制度を理解しておくことも当然重要ですが、それ以上に若い方、40代、50代のこれから高齢の親の面倒をみなければいけないという立場の方々に後見制度を十分に理解していただき、厳しい目で後見人等をチェックしていっていただくことも重要であると考えます。
そして、不正を行っているようであれば後見人等の解任を家庭裁判所に求めるなど、積極的にこの制度の中に入ってきていただきたいと考えております。
判断能力の衰えた御本人には後見人等がしていることが果たして自分にとって良いことなのか、悪いことなのか、それ自体判断できません。「制度を利用しているのだから間違いないだろう・・・。」という考えは、後見制度悪用事件を見るにつけ捨てた方がよいと思います。
是非お願いです。後見人を選ぶ前に、本当にその人が後見人として適しているのか、任せて大丈夫なのか、高齢の親とともに良く吟味してください。40代、50代の方であれば、単にうわべだけ取り繕っている人間かどうかよくわかると思います。甘い言葉にグラッとなりがちな高齢者に代わり、よくよく観察をしていただきたいと思います。
これは法定後見制度を利用する場合も、任意後見制度を利用する場合もどちらにも当てはまることです。
親族を後見人に選ぶような場合には、もしかすると遠慮があったりして反対することができないことがあるかもしれませんが、遠慮している場合ではありません。もしも「この人では・・・」と思う節があるような場合にはきちんとした理由とともに「反対」してください。
また第三者を後見人に選ぶような場合には、何度も面談を繰り返したり電話をするなどしてその応対をみたり、その他考えられる方法を駆使して、できる限りその人の情報を入手するなどして判断するようにしてください。第三者の場合には、自分のわからない部分は何でも遠慮せずに質問できるという利点もあります。疑問点が無くなるまで質問してみると良いでしょう。コミュニケーションをとっていく間に「おや?これは・・・」と思ったら、その人はやめた方が良いでしょう。
40代、50代の方であれば十分相手を見抜くチカラがあります。
そして、後見人が選任された後も後見人に任せきりにせず、厳しく目を光らせ続けることが重要です。
このように一人一人が厳しく目を光らせることが、後見制度を悪用した事件を減らせる方法であるとも考えます。
弊事務所では、御本人ばかりでなく親族の方々にも御安心いただけるような「思いやりサービス」を提供させていただいております。


